COLUMN「”納豆方式”でユッケ復活?」
1月16日・17日に開催された焼肉ビジネスフェアを訪問。今年の注目はなんといってもユッケだ。2011年4月に発生した「焼肉酒家えびす」事件を引き金にして提供が不可能になったユッケだが、全国の焼肉店1900店で構成される「全国焼肉協会」の尽力によって、厚生労働省の厳しい基準をクリアするユッケ提供システムが開発され、昨年12月から同協会の会員店で提供が可能になったそうだ。
そのカギはずばり“納豆方式”である。
ユッケを提供するには大きく2つのハードルがある。
一つ目は生食用食肉の加工で、専用の設備を備えた場所で、専用の器具を用いて定められた基準をクリアする加熱殺菌を施さなければならないが、歩留まりや設備の問題で一般的な個店で対応するのはほぼ不可能だそうだ。
二つ目は調理で、営業施設基準に基づいて保健所の許可を得なければならないが、その基準が高く、全国約2万店の焼肉店の中で保健所の許可を得られる調理施設を持つ店は極めて少ないそうだ。
そこで考案されたのが個食パック方式、即ち“納豆方式”だ。パッケージ内の生肉はもちろん基準をクリアした加熱殺菌が施されており、お店ではパックのふたをはがしてそのまま提供すればいいらしい。残念ながら盛り付けやタレをからめると調理なるため、パックのまま提供せざるを得ず、見た目には厳しいのは否めないが、全国焼肉協会の努力によってユッケ復活の道が開けたことは嬉しい限りだ。同協会は今後も生肉の加工や調理方法を研究するようなので注目したい。
※写真は「日食 外食レストラン新聞」ホームページより転載