肉と肉が奏でる、新しい焼肉の旋律 「ハーモ肉」

 

 

 

 

 

 

 

きっかけは彼の何気ない一言だった。

「小川さん、この肉に違う肉を重ねて一緒に食べたらどうなんですかね」

その一言をきっかけに、彼と私の頭の中で、何かが弾けた。

 

発言の主は、YAKINIQUESTのYLこと木村氏。彼とは10年以上定期的に焼肉を食べ歩く、刎頸の友だ。2017年末、いつものように彼と焼き台を囲んでいたところ、昨今の焼肉事情に話題が及んだ。

ここ10年位の焼肉界の変化はめまぐるしい。希少部位、塊肉、熟成肉、コース仕立てなど、様々なブームが起こってきた。最近では、肉に雲丹をのせたり、トリュフをかけたりする、肉割烹のようなアプローチが一部で人気を博している。確かに、例えばシャトーブリアンに雲丹をのせれば美味しいだろう。その事自体を否定するつもりはない。でもそのアプローチは、焼肉好きの私をワクワクさせないのである。何故だろう。

焼肉の魅力とは何だろう。様々な意見があるだろうが、私にとっての焼肉の最大の魅力は、“自分で焼く”こと。すなわち、調理の最終工程を自分が受け持ち、自分好みの味に仕上げられるということだ。同じ店の、同じ肉でも、焼き方を変えることで、新しい美味しさに巡り会うことがある。こんな瞬間があるからこそ、焼肉を食べる度に、ワクワクするのである。そんな私に、木村氏が放った「この肉に違う肉を重ねて一緒に食べたらどうなんですかね」という発言は、何かこれまで味わったことのない、新しい焼肉の楽しみ方を想像させる、ワクワクする一言だった。そして年が明けた2018年1月から、YAKINIQUESTとBEEF-LAB.comがコラボし、様々な部位の正肉や内臓肉を取り寄せ、様々な肉と肉の組み合わせの実験を重ねた結果たどり着いたのが、今回ご紹介する、新しい焼肉の楽しみ方「ハーモ肉」だ。

 

「ハーモ肉」とは、異なる部位の肉を同時に口に入れ、肉と肉が奏でるハーモニーを楽しむ食べ方である。組み合わせはもちろん、味付けの違い、カットの違い、焼き加減の違いなどによって、ハーモニーは変化する。「ハーモ肉」を試している時も楽しいのだが、「ハモった」瞬間、興奮は最高潮に達するのだ。

これまで以下の部位を、味付けを変えながら、組み合わせてみた。

<正肉>

ロース(肩、ザブトン、クラシタ)、カルビ(肩バラ、トモバラ)、ヒレ、イチボ、モモ

<ホルモン>

ツラミ、タン、ハラミ、ミノ、センマイ、ギヤラ、シビレ、フワ、グレンス、シマチョウ、コプチャン、レバー、ハツ、コメカミ

 

個人的に「ハモった」組み合わせをいくつかご紹介したい。

1.「ツラミ×コプチャン」

ツラミは「ハーモ肉」における万能選手である。日頃あまり主役になる部位ではないが、他の部位と組み合わせることによって、ツラミの旨味も明確に感じる時があるし、相手の部位の良さを引き立てることがある。コプチャンとの組み合わせは、そんなツラミの底力が見事に発揮される、「ハーモ肉」の代表だ。

 

2.「ロース(クラシタ)×レバー」

まさかレバーが他の部位とハモるとは!初めて口に入れた時の率直な感想だ。レバーが苦手な人には、レバー感が良い意味で緩和されて食べやすくなる。また最近サシの入ったお肉が苦手という方には、レバーが脂を抑えてくれて食べやすくなる。そして食べやすくなるだけでなく、これが意外なほど美味しいハーモニーを奏でたのである。

 

 

「ハーモ肉」は焼肉店でも、BBQの時でも、そしてご自宅でも楽しむことができる。例えば注文したお肉がうまく人数で割り切れず、何皿か数切れずつ余ってしまった、なんてことがたまにある。そんな時「ハーモ肉」にチャレンジしてみるのはいかがだろう。またご自宅で、ホットプレート焼肉の際などに、いくつかの部位を手にれてご家族やお仲間とワイワイやりながら試すのも楽しいと思う。部位の組み合わせ、味付け、カット、焼き加減まで、組み合わせは無限に拡がる。あなた好みの「ハーモ肉」はきっとあるはずだ。

 

そして皆さんにお知らせがある。シンガポールの焼肉店「BEEF YAKINIKU DINING YAKINIQUEST」にて4/23(月)からホルモンフェアが開催されるが、そのフェアの中で、「ハーモ肉」が提供されるそうだ。実は店主のgypsyこと石田氏とも、当ラボにて「ハーモ肉」を一緒に実験を重ねた。仕入れの都合で組み合わせは「ツラミ×コプチャン」のみであるが、幸運にもシンガポールで「ハーモ肉」を味わえる方は、「ハモった」瞬間の興奮を味わってみてほしい。

 

最後に、YAKINIQUESTとBEEF-LAB.comは、今後も様々な「ハーモ肉」の試みを企画している。逐次当サイトで発表していく予定である。