COLUM「第5回 全日本大学対抗ミートジャッジング競技会」

COLUMN
Spread the love

 

 

「全日本大学対抗ミートジャッジング競技会」という、肉好きなら何とも気になる大会が催されていることをご存じだろうか。

 

※撮影:(社)中央畜産会

ネットで肉の格付けに関する情報収集を行っていたところたまたま公式ホームページに辿り着き、その存在を発見。ビーフ・ラボとしてはどうしても現場を見てみたい!との強い衝動に駆られ、すかさず事務局に取材依頼のメールをお送りしたところ、幸運にも取材OKとの返事。

「大学対抗と言う位だから、応援合戦とかすごいのかな」

「ナイスジャッジです!とか、切れてるよ!といった掛け声が飛び交うんだろうか」

などという妄想と期待に胸を膨らませて会場に向かった。

 

今年で5回目となる「全日本大学対抗ミートジャッジング競技会」は、大学などで畜産学や食品科学を学ぶ学生さん達に、

①食肉格付の理論及び実際の評価技術を学ぶ機会

②食肉産業分野の新しいテクノロジーに触れる機会

③消費者のニーズや期待に触れる機会

を提供することを目指して行われている肉質評価の競技会で、成績優秀者はなんとオーストラリアで開催される大学対抗ミートジャッジング大会に出場できるという、豪華賞品?付きの大会だ。競技会では、あらかじめ用意された黒毛和種,交雑牛,豚枝肉それぞれにおいて,日本食肉格付協会が定める「牛枝肉取引規格」及び「豚枝肉取引規格」に基づき,枝肉の順位付けを行い,その正確さを競う。

今年の出場大学は下記の通り。

北海道大学、帯広畜産大学、酪農学園大学、筑波大学、日本大学、日本獣医生命科学大学、麻布大学、東京農業大学、神戸大学、宮崎大学(全10大学)

 

3日間の日程で行われ、初日は開会式とレセプション、2日目は (有)のざき 代表取締役社長の野崎喜久雄氏などによる講演と競技会についての実習、そして気になる競技会は最終日の午前中に行われる。是非とも競技会の様子を直接この目で確かめてみたいと思っていたのだが、東京都中央卸売市場食肉市場の規則で、関係者以外は格付けコンテストが行われる冷蔵庫内には残念ながら入れないとのこと…。泣く泣く午後の食肉に関するグループディスカッションから取材させていただいた。

 

競技会自体は実際に流通する枝肉をお借りして行われるらしく、我々が想像していたような“応援合戦”が繰り広げられることはないらしい。静寂な冷蔵庫内の中で、大きな枝肉を前に、懐中電灯を肩に構え、6-7番肋骨の間を照らしながら、淡々と肉質評価が行われるようだ。事務局さんからお借りしたコンテスト最中の写真からもわかるように、その目は真剣そのもの。また、審査員は日本食肉格付協会の方が務められていることかわもわかるように、本格感たっぷり。我々も競技に参加してみたい!と切に思う位、羨ましい内容だ。

13.4.7 P1230104

 13.4.7 P1230201

13.4.7 P1230273

※撮影:(社)中央畜産会

午後の食肉に関するグループディスカッションでは、チームごとに分かれ、格付け制度などを活用した、牛肉の消費拡大プランをまとめ、そのプレゼンテーションが繰り広げられた。低ランク牛肉のイメージアップのアイデア、赤身のおいしさの基準作り、主婦のための新格付案、品質チェックができるスマホアプリ案、枝肉のレプリカの店頭POP案など面白いアイデアがたくさん出されていた。

 

続いて東京海洋大学に場所を移し、懇親会を兼ねた成績発表・表彰式が行われた。

大学対抗部門は

優勝:日本大学

準優勝:帯広畜産大学

第三位:宮崎大学

という結果になった。

その他詳しい最終成績は公式ホームページでご確認いただきたい。

 

とにかく印象的だったことは、参加していた学生さん達がとても明るくて楽しそうだったこと。どこにでもいそうな(と言っては失礼か)大学生が、食肉について楽しそうに語り合い、表彰式で一喜一憂している姿はとても微笑ましく、出来る事なら我々もその輪に加わりたい!と強く思ったほどだ。このような充実した催しを開催するに当たり、主催者の方々は、準備から当日の運営に至るまでさぞかしご苦労されたに違いない。しかし、学生さん達のあの楽しそうな姿を見れば、そのご苦労も報われたのではないだろうか。そして大学の垣根を越えて参加者同士がとても仲良しだったことも印象的だった。聞くと、2泊3日の開催期間中は大学をシャッフルしてチームが組まれ、同じ部屋で寝泊まりするらしく、そのおかげでかなり交流が図れるようだ。こんなところにも主催者の方々の心配りが感じられる。

 

懇親会中に何人かの学生さん達と会話をしたが、将来は畜産、酪農、食肉に進む方もいるが、中には大学ではブリの養殖の研究をしているという学生さんもいたりして、食品開発の道に進む方もいるようだ。しかし、こういう若い人たちが日本の畜産や食肉業界に入ってくると想像するとなんかワクワクする。日本の畜産・食肉業界は、その歴史的背景からどうも閉鎖的になりがちだ。しかし、”肉を喰う”ということは、元来楽しくて、元気が出ることだ。そう、肉には、人間を明るくし、元気にするパワーがあるのだ。そんな肉に関わる業界を、彼らが明るく、元気に盛り上げて行ってくれることを期待したい。

 

などと偉そうな感想を抱きながら会場を後にし、所長とCBOの二人で浜松町の焼肉屋さんに向かった。その晩の牛肉は、いつにも増して旨かった。もちろん、二人の間でミートジャッジングごっこが繰り広げられたことは、言うまでもない。

070


タイトルとURLをコピーしました