和牛巡礼vol.4「増田牧場」

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和牛の生産地として関東は全国的にそれほど名前が響き渡っていない。ある程度有名なブランド牛と言えば茨城県の常陸牛くらいだろう。だが、こだわりを持った生産者というのは関東にもしっかりと根付いているのだ。第1回和牛巡礼で訪れた神奈川県伊勢原の渡辺さん、そして今回紹介する群馬県高崎の増田さんのように。

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増田さんの肥育する増田和牛は雌牛のみで、牧場では約200頭がのびのびと肥育されている。風通しの良い牛舎に入ると、可愛らしい顔をした牛達が迎えてくれる。手をだしても暴れることなく、人懐っこく近寄ってくる姿を見ると、愛情を持って育てられているのがよく分かる。

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増田さんは急いでサシをいれる育て方ではなくじっくりと飼い込んで肉に深い味わいを入れることを主眼としている。その為、一般的には27ヶ月程度が平均的な肥育期間だが、通常の増田和牛で32~36ヶ月、純但馬血統の増田和牛に関しては38ヶ月以上の肥育期間を設けている。

さらに仕上げの約半年は大麦を蒸した「炊き餌」と呼ばれる飼料が与えられる。かつては松阪や近江では仕上げに炊き餌を与える生産者が見られたそうだが、その手間から現在でほとんど見られないそうだ。今回自ら炊き餌を試食させてもらったが、柔らかで風味も悪くなかった(笑)

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他にも増田さんの拘りは色々あるが、それらの成果があの赤身の深い味わいと甘みが強いのにさっぱりとした脂を作り上げているのだろう。増田和牛を食べれるお店は地元群馬だけでなく東京にもあるが、最もオススメなのは高崎にある“素敵亭”。セリに出さずに生体で取引された極上の増田和牛がそこには届けられえる。

ちなみに現在牧場にいる200頭の中には純但馬血統の個体が数頭いるが、それらは年末から年始にかけて”素敵亭”に納品される予定とのこと。他にも但馬の血統が濃い個体がほとんどだが、増田さんが肥育する純但馬血統はそれが最後。38ヶ月以上大事に肥育された個体の嫁入り。

年末年始は高崎を訪れる理由は十分にあるだろう。

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